床置き形業務用エアコンとは?設置するメリット・注意点を解説
天井裏にスペースがない、配管ルートが取りにくい、天井まわりに設備が多くて工事が進めにくいなど、設置条件に制約がある現場では「床置き形業務用エアコン」がおすすめです。
高所作業が必要なく、メンテナンスもしやすいなど、天井カセット形にはない多くのメリットがあります。
そこで本記事では、床置き形業務用エアコンのメリットや注意点、失敗を防ぐためのチェックポイントまで詳しく解説します。
業務用エアコンの導入において、どのようなタイプを選択しようか迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
床置き形業務用エアコンとは
まずは、床置き形業務用エアコンの基本を解説していきます。
床面に設置するエアコン
床置き形業務用エアコンは、室内機を床面に据え付けて使うタイプす。
壁際に設置するケースが多く、天井埋込形のように、天井裏スペースや天井開口を必要としません。
そのため、天井まわりに設備が多い、天井裏が浅い、天井面の改修を避けたいといった条件に適しています。
また、手の届きやすい高さに設置するため、日常点検やフィルター清掃をしやすい点も特徴です。
高所作業や脚立の用意が不要で、保守点検やメンテナンスの手間を減らせます。
ただし、設置する位置によっては、室内の動線や荷物の置き場と干渉しやすいので、出入口付近や通路は避け、作業の邪魔にならない場所を確保しなければなりません。
ほかの業務用エアコンと比べて設置の自由度が高い
床置き形は、天井側の施工条件に左右されにくい分、設置の自由度が高い業務用エアコンです。
天井開口が不要で、大規模な工事をせずに入れ替えできます。
また、天井に配管・照明・走行レールなどが集中していても問題なく、床面側でレイアウトを組みやすいのが強みです。
設置位置と吹出方向を調整しやすく、広い空間を均一に冷やすよりも、作業者がいるエリアを狙って風を当てたい現場に向いています。
「プレナム形」と「ダクト形」がある
床置き形業務用エアコンには、主にプレナム形とダクト形の2つがあります。
プレナム形は、室内機の吹出口周辺に空間を設けて空気を整え、前面や上部から風を送るタイプです。
ダクトを長く引かないため設置しやすく、空調の取り回しをシンプルにしたい現場に適しています。
一方のダクト形は、室内機にダクトを接続し、風を必要な場所へ送るタイプです。
室内機を邪魔になりにくい位置に置き、吹出口だけを作業エリア側に設けるといったレイアウトに対応できます。
複数の吹出口に分けたい、機械の発熱が大きいエリアへ風を届けたいなど、目的が明確な現場におすすめです。
床置き形業務用エアコンを設置するメリット

床置き形業務用エアコンは、天井側の施工が難しい現場や、保守の手間を減らしたい場合に適しています。
ここでは、床置き形業務用エアコンを導入するメリットについて、詳しく見ていきましょう。
高所作業不要で設置工事費を抑えられる
床置き形は室内機を床面に据え付けるため、天井開口や天井内の補強といった工事が不要な点がメリットです。
天井埋込形のように、天井を切る工程や天井面の復旧を伴うケースと比べると工期が短く、工事費用を抑えられます。
また、高所作業車の手配や長時間の脚立作業が減らせるため、作業員の安全も確保できます。
店舗や工場といった稼働中の建物でも、立入制限や養生の範囲を小さくできる場合があり、営業や生産への影響を抑えたい現場におすすめです。
メンテナンスしやすい
床置き形業務用エアコンは、フィルター清掃などのメンテナンスがしやすく、脚立を立てたり、高所作業車を手配したりする負担を減らせるのもメリットです。
メンテナンスのしやすさは、故障リスクや不調の早期発見にもつながります。
例えば、フィルターが目詰まりすると風量が落ち、冷えにくさや電力の無駄につながりますが、床置き形なら素早く対処できます。
床付近の冷房効率が高い
冷たい空気には、下にたまりやすい特性があります。
床置き形は、人が活動する床面に近い位置から送風できるため、体感温度を効率的に下げられるのもメリットです。
特に、暑さを感じやすい作業エリアや、接客エリアの快適性を重視したい場合に向いています。
また、特定エリアを優先して冷やしたい現場とも相性抜群です。
広い工場や倉庫、出入口の開閉が多い店舗などでは、空間全体を均一に冷やすより、作業者がいる場所や人が集まる場所を素早く冷やしたいケースがあります。
床置き形の業務用エアコンならば、送風が届く範囲を意識した配置が可能です。
床置き形業務用エアコンのデメリットも理解しておこう

床置き形は設置条件に左右されにくく、メンテナンスもしやすい業務用エアコンですが、デメリットもあります。
「思ったより使いにくい」といった事態を防ぐためにも、弱点を押さえておきましょう。
床面に設置スペースが必要
床置き形は、室内機を床に据えるため、床面に設置スペースを確保しなければなりません。
通路や出入口付近に置くと、人の動線や荷物の搬入と干渉しやすく、接触や転倒のリスクが上がります。
店舗ならば陳列や客導線、工場ならば台車の通り道や作業姿勢を踏まえ、邪魔にならない位置を決めることが重要です。
また、室内機の前面や吸込口の周辺に物を置くと、吸い込みが悪くなり、風量低下や冷えにくさにつながります。
送風方向が限られる
床置き形は、天井埋込形のように四方向へ均一に吹き出す設計ではないため、送風の届き方に偏りが出ることがあります。
壁際設置が中心となる分、空間の奥まで風が届きにくかったり、風が当たる場所と当たりにくい場所で体感差が出やすかったりする点がデメリットです。
特に、柱や棚、機械などの障害物が多い現場では、風が遮られて温度ムラが出やすくなります。
設置位置を工夫して風の通り道を確保する、必要に応じてダクト形を検討して吹出口を適切な場所へ設けるなど、目的に合わせた調整が必要です。
床置き形業務用エアコンを設置する際の注意点
床置き形業務用エアコンは導入しやすい一方、置き方や配管処理を誤ると冷えムラや水漏れにつながりかねません。
ここでは、設置する際の注意点を解説していきます。
室内機を適切な位置に設置する
床置き形業務用エアコンは、送風が正面方向中心になりやすく、設置位置で体感が大きく変わります。
そのため、設置する際は人の出入り口付近を避けましょう。
扉の開閉で外気の影響を受けやすい場所に置くと、無駄な電力消費につながりやすくなります。
棚や机、製品置き場など、障害物の近くも不向きです。
送風が遮られると奥まで空気が届きにくくなり、冷暖房のムラが出やすくなるため、風の通り道を確保できる場所に設置しましょう。
室外機の設置位置も慎重に検討する
室外機の設置位置は、空調効率とトラブル発生率に影響します。
室外機は、熱交換のために大量の空気を吸って吐き出すため、風通しがよい場所に設置するのが基本です。
併せて、直射日光が当たりにくい位置を選ぶと、運転効率を保ちやすくなります。
さらに、設置場所によっては運転音が問題になるため、住宅地に近い、共有部に面しているなど、周囲条件が厳しい場合は騒音面の配慮も欠かせません。
このように、周辺環境と運用後の影響まで見込んで場所を決めることが重要です。
ドレンホースからの水漏れを防ぐ
ドレン配管の勾配が不十分だったり、詰まり対策が甘かったりすると、排水が滞って水漏れにつながります。
故障だけでなく、内装の損害を招くリスクもあるため、事前に排水管のルートを確認しておきましょう。
また、ドレンホースを伝って雨水が室内側へ入り込み、水漏れするケースがあります。
室内機より室外機が高い場所に設置されている場合に起こりやすいため、信頼できる業者に依頼することも大切です。
業務用エアコンは床置き形と天井カセット形のどちらがおすすめ?
床置き形と天井カセット形は、どちらが優れているというよりも、設置する環境と現場の優先順位で選び方が変わります。
天井カセット形は、見た目がすっきりしているので、床面を広く取りたい現場におすすめです。
ただし、天井側の工事が必要で導入コストが上がるほか、フィルター清掃が高所作業になるなど、コストやメンテナンス面で負担が増えます。
一方、コスト軽減とメンテナンス性を重視する場合、床置き形が合理的な選択肢です。
床に据えるため、高所作業を減らしやすく、日常のメンテナンスもしやすい傾向にあります。
床面の設置スペースを確保する必要があるものの、送風の通り道を邪魔しない場所に配置できるならば、賢い選択といえるでしょう。
床置き形業務用エアコンを導入するなら専門業者に相談しよう
床置き形業務用エアコンは、設置場所の広さだけを基準に選ぶと実際の使用環境に合わず、本来の冷暖房能力を発揮できない場合があります。
例えば、以下のような要因によって選定が難しくなるケースがあります。
- 同じ面積でも、オフィスと飲食店では熱負荷(冷暖房に必要なエネルギー)の基準が異なるため、必要な馬力に差が出る
- 飲食店では、調理による熱や人の出入りが多いため、エアコンが効きにくくなる場合がある
- 馬力が不足すると冷暖房の効きが悪くなり、反対に能力が過剰だと導入費用や電気代が無駄にかかる
上記の点を踏まえて見積もりができる、知識と経験が豊富な専門業者に相談しましょう。
現場の条件や用途を考慮し、最適な設置場所や機種を提案できる業者を選ぶことが大切です。
導入後の後悔を減らすためにも、まずは実績が豊富で信頼できる専門業者への相談から始めてください。
床置き形業務用エアコンとは?設置するメリット・注意点を解説 まとめ
床置き形業務用エアコンは、天井に制約がある現場でも導入しやすく、メンテナンス性の面でも強みを持ちます。
一方、床スペースの確保や送風方向の制約などの注意点もあるため、広さだけで決めないことが重要です。
また、用途によって熱負荷と必要馬力が異なるため、まずは専門業者に相談し、現場に合う提案をしてもらいましょう。
業務用エアコンの販売実績が豊富な当店では、現場の状況を確認した上で、適切な設置場所や機種の提案をしております。
無料見積もりも実施しておりますので、床置き形業務用エアコンの導入を検討しておりましたら、ぜひ一度ご相談ください。




