業務用エアコンの掃除方法を6ステップで解説
業務用エアコンを定期的に掃除することにより、電気代の節約や故障防止など、多くのメリットが得られます。
日常的なメンテナンスであれば、業者に依頼せずとも自分でお手入れすることが可能です。
そこで本記事では、業務用エアコンを掃除する方法について、6つのステップでご紹介します。
メリットや注意点も併せて解説しますので、ぜひ最後までご覧いただき、オフィスや店舗を快適な空調環境に整えましょう。
目次
業務用エアコンの掃除で得られる3つのメリット
業務用エアコンは、稼働中に空気中のホコリや雑菌を多く吸い込みます。
そのため、本来の能力を維持するためには、定期的な掃除が欠かせません。
本章では、業務用エアコンを掃除すると得られる3つのメリットについて解説していきます。
省エネ効果を高める
業務用エアコンを定期的に掃除することで、省エネ効果を高められるのがメリットの一つです。
エアコン内部が汚れたまま運転を続けると、冷暖房効率が下がり、無駄な電力を消費します。
すると、余計な電気代がかかるだけでなく、不具合や故障の原因にもなるため注意が必要です。
特に、オフィスや店舗で複数台の業務用エアコンが稼働している場合、定期的な掃除は絶大な効果を発揮します。
経費削減のためにも、継続的にしっかりとメンテナンスを行いましょう。
清潔な状態を保つ
業務用エアコンの掃除により、常に清潔な状態を保てます。
エアコンは空気中に漂っているカビやホコリ、雑菌などを大量に吸い込んでいます。
掃除を怠ると、内部に汚れがたまってしまうため、注意が必要です。
汚れたたまま放置すると、フィルターに付着したホコリや雑菌が空気中に放出される恐れもあります。
また、カビ菌を吸い込んだことで健康被害が生じると、企業の信頼にも影響を及ぼしかねません。
これらの事態を防ぐためにも、オフィスや店舗内の空気をきれいな状態に保つべく、定期的に掃除しましょう。
エアコンの故障を防ぐ
業務用エアコンを汚れたまま放置すると、不具合や故障の原因となる可能性があります。
エアコン内部を定期的に掃除し、夏場の猛暑の中で突然停止するようなトラブルを未然に防ぎましょう。
長期間掃除せずに放置すると、致命的な故障によって修理できないケースもあります。
業務用エアコンの寿命を延ばすためにも、日頃からきれいな状態を保つことが大切です。
業務用エアコンを掃除する方法6つのステップ

業務用エアコンを掃除する前には、作業場所と道具を確保しておきましょう。
掃除を始めてから脚立や養生シートを準備すると、フィルターを外したまま作業が止まり、床や机にホコリが落ちやすくなります。
用意しておきたい道具は、以下のとおりです。
| 道具 | 主な用途 |
| 掃除機 | フィルターや吸込口のホコリを吸い取る |
| ソフトブラシ | フィルターの目に入った細かい汚れを落とす |
| 雑巾・クロス | パネルや吹き出し口を拭く |
| ゴム手袋 | 汚れや洗剤による手荒れを防ぐ |
| マスク | ホコリやカビを吸い込みにくくする |
| 保護メガネ | 高所作業時のホコリや水滴から目を守る |
| 脚立 | 天井カセット形など高い位置のフィルターを外す |
| 養生シート・大きめのビニール袋 | 床や机、備品にホコリや水が落ちるのを防ぐ |
| 中性洗剤 | フィルターやパネルの汚れが強い場合に使用する |
| エアコン用洗浄スプレー | 使用できる部位を確認したうえで汚れ落としに使う |
洗浄スプレーは便利ですが、使える場所や使い方を誤ると、故障につながるおそれがあります。
熱交換器や送風ファンなど、エアコン内部まで無理に洗浄しようとせず、取扱説明書で使える範囲を確認してから使用しましょう。
なお、黒カビ・臭い・水漏れが気になる場合は、表面の掃除だけで済ませず、専門業者への分解洗浄を検討してください。
ステップ1:エアコンの電源を切る
掃除を始める前に、まずは業務用エアコンの電源を切っておきましょう。
稼働した状態で掃除すると、ファンでケガをする恐れがあるほか、故障の原因となるケースもあります。
また、通電による事故を防ぐために、分電盤にあるエアコンのブレーカーを落としておくと安心です。
ステップ2:パネル・グリル・フィルターを取り外す
室内機のパネルやグリル、フィルターを取り外しましょう。
取り外し方やフィルターの位置は、エアコンのタイプや型式によって異なります。
なお、外し方が分からないからといって、無理矢理作業すると破損させてしまうかもしれません。
十分に注意しながら、取り扱い説明書やメーカーの公式ホームページを参考に、正しい手順を確認してから作業を進めてください。
ステップ3:パネルと本体を掃除する
パネルに付着したホコリや汚れを取り除きます。
特に、グリルの格子部分はホコリがたまりやすいため、念入りに掃除してください。
また、本体に汚れがこびり付いていると不衛生です。
濡らした雑巾を使い、汚れを拭き取りましょう。
ステップ4:吹き出し口のホコリを除去する
吹き出し口をチェックし、たまっているホコリを取り除きましょう。
ホコリが大量にたまっている場合は、掃除機を使うのも有効な手段です。
ただし、奥までノズルを入れ過ぎないよう、注意してください。
ホコリが除去できたら、濡らした雑巾で拭き上げましょう。
こびり付いた汚れの場合は、薄めた中性洗剤を雑巾に含ませると、落としやすくなります。
ぜひ、試してみてください。
ステップ5:フィルターを掃除する
業務用エアコンにおいて、もっとも汚れのたまる部分がフィルターです。
ホコリで目詰まりしていると、本来の性能を発揮できなくなってしまいます。
以下の工程を踏まえながら、しっかりと掃除しましょう。
5-1: フィルターに付着しているホコリを取り除く
まずは掃除機を使い、フィルターの表裏に付着したホコリを除去します。
表から裏の順番で、大きなホコリを中心に除去すれば十分です。
5-2: フィルターを水洗いする
掃除機では除去できない、細かいホコリを水で洗い流しましょう。
水を当てただけでは落ちにくいため、ソフトブラシを使って優しく取り除くのがコツです。
なお、金属ブラシといった硬い毛先で擦ると、フィルターを破損させてしまうため注意してください。
5-3: フィルターを乾かす
水洗いしたら、しっかりと水気を切って乾かしましょう。
フィルターに直射日光を当てると傷みやすいため、陰干しするのがポイントです。
なるべく早くエアコンを使いたいときなど、すばやく乾かしたい場合は、タオルで水気を拭き取ったり、ドライヤーの冷風を当てたりしてから陰干ししてください。
ステップ6:フィルターとパネルを元に戻す
フィルターが乾いたらエアコンにセットし、グリルやパネルを元に戻したら掃除完了です。
取り外すときと同様に、破損させないよう、取り扱い説明書などを確認しながら作業しましょう。
天井カセット形と壁掛形では掃除時の注意点が異なる
業務用エアコンは、タイプによってフィルターやパネルの位置、取り外し方が異なります。
天井カセット形は、本体が天井側に設置されているため、フィルターやパネルを外す際には、踏台や脚立を使う場合があります。
作業時は足場を安定させ、外した部品を置く場所も先に確保しておきましょう。
無理な姿勢で作業すると、転倒や部品の落下につながるおそれがあります。
壁掛形は、本体前面のパネルや吸込グリルを開けてフィルターを取り外すタイプが多いものの、取り外し方は機種によって異なります。
前面パネルの固定方法や開き方を把握せずに力を加えると、部品の変形や破損につながるため、作業前に取扱説明書を確認しましょう。
ただし、天井カセット形・壁掛形のどちらも、熱交換器や送風ファンなどの内部洗浄には、分解作業を伴います。
業務用エアコンの掃除では「自分で行う範囲」と「専門業者へ依頼する範囲」を区別しておくことが大切です。
業務用エアコンを掃除する頻度の目安
業務用エアコンの掃除頻度は、設置場所の汚れやすさによって変わります。
一般的なオフィスと、飲食店や工場のように油を含んだ煙や粉じんが発生しやすい環境では、同じ頻度で考えないほうがよいでしょう。
フィルター清掃は日常的なメンテナンス、分解洗浄は内部の汚れを落とす専門的な作業として、それぞれ分けて考えると、適切な時期を判断しやすくなります。
以下では、業務用エアコンを掃除する頻度の目安について見ていきましょう。
一般的なオフィスで掃除する頻度
一般的なオフィスでは、フィルター清掃は2カ月に1回を目安にしましょう。
人の出入りが多い事務所や、紙類・段ボールを多く扱う職場では、ホコリがたまりやすいため、汚れが目立つ場合は早めの清掃が必要です。
内部まで洗浄する分解洗浄は、年に1回が目安となります。
臭いや効きの悪さが気になる場合は、年に2回へ増やすのがおすすめです。
とくに、冷房を本格的に使う前の春や、暖房を使い始める前の秋に清掃しておくと、繁忙期に効きが落ちるというリスクを抑えられます。
飲食店・工場などで掃除する頻度
飲食店や工場などでは、一般的なオフィスよりも短い間隔で掃除する必要があります。
飲食店では油煙、工場では粉じんや細かな汚れが吸い込まれやすく、フィルターだけでなく内部にも汚れが進みやすいためです。
フィルター清掃は2週間に1回を目安にし、分解洗浄は年2回以上を検討しましょう。
油を多く使う厨房の近くや粉体を扱う作業場では、半年に1回の分解洗浄が適しているケースもあります。
同じ業種でも、24時間稼働している店舗と、就業時間帯だけ使う事務所では、それぞれ汚れ方が異なります。
稼働時間が長い、人が多い、外気の出入りが多いといった環境ほど、清掃頻度は高く設定しましょう。
フロン排出抑制法に注意
業務用エアコンを掃除する目安を決める際は、フロン排出抑制法にも注意が必要です。
フロン類を使用する業務用の冷凍空調機器の場合、管理者による簡易点検が3カ月に1回以上求められています。
簡易点検では、以下のような点を確認します。
- 異常音・異常振動がないか
- 外観の損傷・腐食・油にじみがないか
- 空気を冷やしたり暖めたりする熱交換器に霜付きがないか
フロン排出抑制法によって求められる簡易点検は、フィルター清掃や分解洗浄の頻度ではなく、冷媒漏れや機器の異常を確認するための点検です。
業務用エアコンでは「清潔に使うための掃除」と「法律上必要な点検」を分けて管理する必要があります。
清掃スケジュールを組む際は、3カ月に1回の簡易点検も併せて組み入れておくと、管理漏れを防ぎつつ、業務用エアコンを良好な状態に保つことが可能です。
業務用エアコンを掃除する際の注意点

業務用エアコンの掃除は、ポイントを押さえておけば自力で行えますが、注意点もあります。
以下で解説する注意点を踏まえた上で、安全に作業を進めましょう。
分解清掃は業者に依頼する
掃除してもカビ臭さが気になる場合は、エアコン内部を洗浄することにより、解消されるケースがあります。
ただし、エアコン内部の分解洗浄には専門的な知識が必要です。
また「分解して元に戻せない」「電気系統を壊してしまう」といったトラブルを防ぐためにも、専門のクリーニング業者へ依頼しましょう。
特に、電気系統に触れて故障してしまうと、メーカー保証を受けられない可能性があります。
高所での作業には十分注意する
室内機を天井に埋め込む業務用エアコンの場合、掃除は脚立を使った高所での作業となります。
そのため、脚立に登って作業する際は、十分に安全を確保しておくことが大切です。
例えば、脚立を支える人を確保するなど、2人以上で安全に配慮しながら作業を行いましょう。
定期的にメンテナンスする
業務用エアコンを常に清潔な状態に保つためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。
長期間掃除を怠ってしまうと、作業がより大変になります。
エアコン本来の性能を維持し、快適な空調環境を整えるためにも、計画的にメンテナンスを実施しましょう。
なお、業務用エアコンは「フロン排出抑制法」によって、以下の法令点検が義務付けられています。
| 点検の種類 | 対象 | 点検頻度 |
|---|---|---|
| 簡易点検 | すべての業務用冷凍空調機器 | 3ヶ月に1回以上 |
| 定期点検 | 業務用エアコン(7.5kW以上50kW未満) | 3年に1回以上 |
| 業務用エアコン(50kW以上) | 1年に1回以上 |
簡易点検については、自ら実施することが求められています。
業務用エアコンを常に良好な状態に保つためにも、簡易点検の際に掃除の計画を立ててみてはいかがでしょうか。
業務用エアコンの掃除方法を6ステップで解説 まとめ
業務用エアコンの掃除は、清潔で快適な空調環境を整える上で必要不可欠です。
エアコンの故障を防いで無駄なコストを抑えるためにも、定期的にメンテナンスを実施しましょう。
ただし、長年使って効きが悪くなってくると、メンテナンスでは対応できないケースもあります。
稼働効率が落ちてしまい、メンテナンスの手間やコストが嵩むようならば、買い替えを検討するタイミングです。
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