どちらを選ぶべき?業務用エアコンと家庭用エアコンの違いを解説
オフィスや店舗にエアコンの設置を検討している方の中には、「業務用エアコンと家庭用エアコンの違いは何?」と疑問に感じている方もいるのではないでしょうか。
両者は同じエアコンながらさまざまな点で違いがあるので、それぞれの特徴やメリットを理解しておきましょう。
本記事では、業務用エアコンと家庭用エアコンの違いについて、室内機の形状や馬力、施工方法、電気代などの観点から詳しく解説します。
目次
業務用エアコンと家庭用エアコンの違いとは
業務用エアコンとは、主にオフィスや店舗、学校などに設置されているタイプです。
工場向けの大型モデルも選択できます。
広いスペースに対応できる高い能力を発揮するほか、天井埋込形などさまざまな種類から選択できるのが特徴です。
対して、家庭用エアコンは家の各部屋を個別に冷暖房するために設計されています。
コンパクトな壁掛け形が主流で、カーテンレールの上など限られた場所に設置しやすいのがメリットです。
ただし、オフィスや店舗といった広い面積を冷暖房するのには向いていません。
では、以下でさらに詳しく解説していきます。
室内機の形状が違う
業務用エアコンは、室内機の形状を以下のようなタイプから設置場所に合わせて選べます。
- 天井埋込カセット形
- 天井吊形
- 床置形
- ダクト形
特に店舗では、空間の意匠や環境に合わせて柔軟に選べるのがメリットです。
一方、家庭用エアコンの主流は壁掛け形であり、選択肢が限られています。
また、店舗兼住宅のリビングに設置する場合、家庭用の壁掛け形では存在感が強すぎて空間になじみにくい場合があります。
業務用エアコンの天井埋込形なら、スッキリとした美観を保ちながら設置が可能です。
能力・馬力が違う
業務用エアコンは出力が家庭用エアコンよりもはるかに大きく、広い空間や高い天井にも対応できます。
家庭用エアコンは6~20畳向けモデルが主流ですが、業務用エアコンは20畳以上のオフィスや店舗はもちろん、さらに広い工場にも対応できるモデルが販売されています。
例えば、飲食店のように常に人の出入りがあり、調理機器から熱が発生するような環境では、家庭用エアコンでは力不足です。
業務用エアコンなら熱の負荷にも対応でき、さまざまな業種の快適な室内環境構築に役立ちます。
施工方法や工事期間が違う
業務用エアコンは高性能である分、施工方法も専門的で時間がかかる傾向があります。
天井裏に配管を通す、ダクトを設けるなどの工事が必要なケースが多く、工事は数日から1週間程度の期間が必要です。
一方、家庭用エアコンは既存の壁に設置するだけで済むため、通常は半日~1日で取り付けが完了します。
電源が違う
業務用エアコンは、三相200Vという電源を使用します。
一般的な家庭で使用されている単相100Vや200Vとは異なり、より高出力な機器を安定して動かすための電源です。
ただし、三相200Vの導入には動力電源の契約や専用ブレーカーの設置が必要になる場合があります。
特に、店舗兼住宅に導入する際は電気工事が必要になるケースもあるため、事前の確認が不可欠です。
耐久性が違う
業務用エアコンは、長時間の稼働を前提に設計されており、部品の耐久性や構造の堅牢さの点で家庭用エアコンよりも優れています。
温度変化や粉じんの多い過酷な現場でも、長期間安定した性能を維持しやすいのが魅力です。
一方、家庭用エアコンは耐久性の面では業務用エアコンより劣ります。
故障が頻発してメンテナンス費用がかかってしまうと、長期的にコストが増大する懸念がある点に留意しておきましょう。
室内機の台数が違う
業務用エアコンは、1台の室外機で複数の室内機を制御できるマルチタイプが一般的です。
広いフロアや部屋ごとに複数の室内機を設置でき、効率的に空調環境を管理できます。
対して、家庭用エアコンは1台の室外機に1台の室内機が基本です。
各部屋に設置したい場合は、室内機と室外機のセットを個別に設置する必要があり、コストや運用管理の面で効率的ではありません。
電気代が違う
業務用エアコンは出力が大きく、室温を短時間で効率よく調整できます。
馬力は大きいものの、結果的に稼働時間が短くなって電気代の節約につながりやすいのがメリットです。
また、業務用エアコンと家庭用エアコンでは、電力会社との契約プランが異なる点も見逃せません。
家庭用エアコンで契約する従量電灯は基本料金が安い反面、電力単価が高めに設定されているのです。
一方、業務用エアコンで契約する動力プラン(低圧電力)では、基本料金が従量電灯より高いケースがあるものの、電力単価は安めに設定されています。
長時間使用するオフィスや店舗、工場などにおいては、業務用エアコンのほうが結果的にコストを抑えられるのです。
このように、業務用エアコンと家庭用エアコンは同じエアコンながらさまざまな点で違いがあります。
当店では、店舗や住宅の条件に合わせて業務用・家庭用どちらが適しているか無料で比較・ご提案していますので、ぜひ一度ご相談ください。
【規模別】業務用エアコンと家庭用エアコンのどちらを選ぶべきか
業務用エアコンと家庭用エアコンには違いがあるものの、店舗やオフィスの規模によってはどちらを選んだらいいのか迷ってしまうことも少なくありません。
ここでは、規模別にどちらが適しているかの目安を紹介します。
小規模な店舗・オフィス
10~20坪程度の小規模な店舗やオフィスであれば、家庭用エアコンでも十分に冷暖房効果を得られるケースがあります。
ただし、人の出入りが頻繁だったり、調理機器などの発熱源があったりする場合は注意しなければなりません。
広さだけに注目するのではなく、条件によっては馬力の高い業務用エアコンが適している場合がある点に留意しておきましょう。
中~大規模の店舗・オフィス
20坪を超える空間、特に50坪以上の広さになると、業務用エアコンの導入が現実的な選択肢です。
家庭用エアコンでは能力が追いつかず、複数台設置しても冷暖房のムラが発生しやすくなります。
業務用エアコンは家庭用エアコンと違って天井埋込形を選択できるなど、意匠性を損なわずに広い空間全体を快適な温度に保てるのもメリットです。
店舗兼住宅
1階が店舗で2階が住居のような「店舗兼住宅」では、エアコン選びが難しくなります。
生活スペースは家庭用エアコンで対応できても、店舗側は出入りや稼働時間、空間の広さなどで業務用のほうが適しているケースがあるのです。
当店では、このような特殊な条件下でも、業務用と家庭用のどちらが適しているかを現地調査の上でご提案しています。
無料で見積りも承っておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
店舗やオフィスに業務用エアコンを設置するメリット
店舗やオフィスといった空間では、家庭用エアコンを複数設置するよりも業務用エアコンを導入するほうがトータルでお得です。
ここでは、業務用エアコンの具体的なメリットを分かりやすく解説します。
人の出入りが多く連続運転時間が長い場所に向いている
業務用エアコンは、長時間にわたる連続運転を前提に設計されています。
人の出入りが激しく、一定の温度管理が求められる店舗やオフィスにおすすめです。
一方、標準的な住環境や使用時間を想定している家庭用エアコンを過酷な条件で長時間運転すると、設計想定外の負荷によって冷暖房効率が低下したり、故障したりするリスクが高くなります。
複数台の家庭用エアコンを設置するよりも電気代を抑えられる
広い空間をカバーしようとして家庭用エアコンを複数台導入すると、設置コストやランニングコストが台数に伴って増加します。
それぞれのエアコンを同時にフル稼働させると電力使用量が跳ね上がり、結果として電気代も増えてしまうのです。
一方、業務用エアコンは出力と効率のバランスが最適化されており、1台で広い空間をカバーできます。
ごく小規模な店舗やオフィスを除き、業務用エアコンの設置が現実的な選択肢といえるでしょう。
家庭用エアコンよりも耐久性が高く長持ちする
業務用エアコンは、過酷な使用環境にも耐えられるように設計されています。
長期的なメンテナンス頻度や修理コストを考慮する必要がある企業や店舗においては、大きなメリットです。
家庭用エアコンよりも初期投資が高くても、過酷な現場環境のオフィスや店舗、工場などでは、結果的に環境への耐性が強く寿命の長い業務用エアコンのほうが高いコストパフォーマンスを発揮します。
電気代やメンテナンス費用を考慮すると、運用コストを下げられる業務用エアコンの設置が必須です。
運用効率に優れた管理機能
業務用エアコンは、複数の室内機を一括で制御できる集中管理システムや、あらかじめ設定した時間に自動でオン・オフできるスケジュール運転機能を備えた機種が多く、運用管理の効率化が図れます。
また、エリアごとに温度や風量を細かく設定できるため、無駄な電力消費を抑えつつ快適性を維持できるのも特徴です。
従業員が個別に操作する必要がないため管理の手間が減り、店舗やオフィス全体での空調管理がしやすくなるという点も、業務用エアコンならではのメリットです。
業務用エアコンと家庭用エアコンの違いを解説 まとめ
業務用エアコンと家庭用エアコンには形状や能力、施工方法、ランニングコストなど多くの違いがあります。
人の出入りが多く長時間稼働が前提となるオフィスや店舗では、業務用エアコンの導入が効率的です。
複数台の家庭用エアコンを設置するよりも電気代を抑えられ、運用コストを減らせます。
なお、業務用エアコンを導入される場合は、施工・メンテナンスも含めたサポート体制が整った、信頼と実績のある業者に依頼すると安心です。
当店では、安心してご使用いただけるよう「3年間の無料保証」をお付けしています。
無料見積りも行っておりますので、エアコンの導入をご検討の際はぜひお気軽にご相談ください。