業務用エアコンの故障が疑われる場合の究明方法|不具合のサインとは
「エアコンが急に動かなくなった」「風は出ているのに効きが悪い」
このようなケースでは、業務に支障が出る前に原因を特定することが重要です。
業務用エアコンは家庭用と比べて構造が複雑なため、ちょっとした不具合も見逃さないように注意しましょう。
本記事では、故障が疑われる際の究明方法や実際に起きやすい不具合のサイン、修理・買い替えの判断基準までわかりやすく解説します。
エアコンの調子が悪いときやトラブル時の解決策や対処法を知っておきたい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
業務用エアコンの故障が疑われる場合にすぐできる究明方法
業務用エアコンが突然動かなくなったなどのトラブルに直面したとき、故障なのかどうか確認すべきポイントがあります。
ここでは、専門業者を呼ぶ前に自分で試せる復旧方法やチェックポイントを解説します。
ブレーカーが落ちていないか
はじめに確認したいのが、電源の供給状況です。
業務用エアコンが動かないときは故障ではなく、過負荷や短絡によってブレーカーが遮断されているケースが少なくありません。
たとえば、事務所の照明やコンセント類も同時に止まっていれば、該当回路のブレーカーが「OFF」になっている可能性があります。
分電盤のカバーを開け、該当のブレーカーが落ちていれば「ON」に戻すことで、エアコンが復旧する場合があるのでチェックしてください。
エラーコードを確認する
次に注目したいのが、エアコン本体やリモコンに表示されるエラーコードです。
業務用エアコンの多くは、異常が発生した部位や状態を数字やアルファベットで表示し、トラブルの特定を手助けしてくれます。
たとえば「E1」や「U4」といったコードが表示されていれば、それぞれに対応する故障内容を取り扱い説明書やメーカーサイトで照合可能です。
表示されたコードを冷静に確認すれば、故障であってもスムーズに修理依頼や対応を行えるでしょう。
応急運転を試みる
どうしても通常運転できない場合は、「応急運転」を試してみてください。
一時的に機器をリセットし、エラー状態から復旧できる場合があります。
リモコンにある「応急運転」ボタンを押す、またはエアコンの電源を一度抜いて数分後に差し直すといった手順で行いましょう。
ただし、応急運転はあくまで仮の対処です。根本的な故障原因を突き止め、専門業者による点検を受けることが必要です。
室外機周辺をチェックする
業務用エアコンが動かない場合、故障を疑う前に室外機の状態確認も欠かせません。
というのも、室外機の吸排気が妨げられると、機器全体が停止する安全機能が働くからです。
たとえば、周囲に段ボールや雑草、落ち葉などがあると、通気が妨げられ熱交換がうまくいきません。
また、他機器の排気が近くにあると高温エラーを引き起こすケースもあります。
室外機周辺を清掃し、十分なスペースが確保されているかを確認しましょう。
室内機のフィルターの状態を確認する
室内機のフィルターが詰まっていると風が出なくなったり、エアコンが停止したりする原因になります。
故障ではないものの、フィルターにホコリが溜まると空気の流れが阻害され、冷暖房効率が著しく低下してエラーが表示されるケースがあるのです。
たとえば、定期清掃を怠っていた場合、わずか1〜2カ月で目詰まりすることがあります。
フィルターカバーを開けて目視確認し、ホコリがある場合は取り外して掃除機や水洗いで清掃しましょう。
リモコンが壊れていないかチェックする
意外な盲点が「リモコンの故障」です。
エアコン本体に異常がなくても、リモコンが操作信号を正しく送れないと起動しません。
なかでも、電池切れや接触不良はよくあるトラブルの一例です。
また、落下などによる内部破損も疑われます。
まずは電池を新品に交換し、表示が正常か確認しましょう。
それでも反応しない場合は、代替リモコンや本体スイッチでの操作を試してください。
暖房時なら霜取り運転中かもしれない
冬場に暖房が急に止まった場合は、「霜取り運転」が作動している可能性があります。
室外機に付着した霜を自動的に溶かす運転モードで、5〜15分程度送風が停止するのです。
たとえば、ファンが止まってランプだけが点灯しているような状態は、故障ではなく霜取り運転中のケースがあります。
数分様子を見て、暖房が再開されるか確認しましょう。
こんな症状に注意!業務用エアコンの故障につながる不具合のサイン
業務用エアコンは完全に止まっていなくても、じわじわと不具合が進行しているケースがあります。
以下のような「異常の予兆」を見逃さないことが、トラブルの早期発見と故障の回避につながるのでチェックしておきましょう。
エアコンが効かなくなった
「最近、設定温度にしてもなかなか冷えない、暖まらない」と感じたら要注意です。
冷媒不足やセンサー異常、内部の汚れなどによる効率低下のサインかもしれません。
以前より長時間運転しても体感温度が変わらない場合は、性能の低下が疑われます。
まずはフィルターや吸気口の清掃を試してみましょう。
それでも改善しないようであれば、冷媒点検や内部部品の点検を専門業者に依頼してください。
異音が気になる
普段と違う音が聞こえるようになったら、内部の異常を知らせる合図です。
ファンやベルトの劣化、モーターの異常などが原因で異音が発生する場合があります。
たとえば、「カタカタ」「キーン」といった耳障りな音が定常的に続く場合、そのまま放置すると故障につながる恐れがあります。
気づいた段階で専門業者に点検を依頼し、部品交換などの対応を検討しましょう。
水漏れが発生している
エアコン本体や送風口付近に水が溜まっていたら、排水経路の異常を示す危険信号です。
ドレンホースの詰まりや内部結露の処理不良によって水が逆流し、天井や床に被害を与える場合があります。
とくに、冷房時に水滴が落ちるようなら、ドレンパンやホースの点検が必要です。
故障につながる可能性もあるため、しっかり清掃して改善されない場合は専門業者にチェックしてもらいましょう。
悪臭がする
運転時に、以下のような違和感のあるにおいがしたら、内部で異常が進行している可能性があります。
- カビ臭
- 焦げ臭
- 薬品臭
また、カビや雑菌の繁殖だけでなく、場合によっては部品の過熱や配線の異常かもしれません。
においに気づいたら、すぐに内部を清掃しましょう。
それでも解消しない場合は、より深部の点検や部品交換が必要になるケースもあります。
放置せず、原因を特定することが肝心です。
漏電ブレーカーが落ちる
運転中に急に電源が落ちて分電盤のブレーカーが下がっているなら、漏電の可能性があります。
故障ではないものの非常に危険な状態であり、内部の絶縁劣化や水漏れが原因となるケースがあるため注意が必要です。
何度もブレーカーが落ちるようであれば、感電や火災のリスクもあります。
即座に使用を中止し、電気設備に詳しい専門業者に点検してもらいましょう。
業務エアコンが故障で完全に動かなくなった場合の対処法
各チェックポイントや応急対応を試しても復旧しない場合は故障の可能性もあり、速やかな対応が求められます。
ここでは、業務用エアコンが完全に停止した場合の現実的な対処法を紹介します。
修理を検討する
使用年数が浅い場合には、メーカーや専門業者に基板・モーター・冷媒系統などの不具合部位をチェックしてもらいましょう。
故障で修理すべきなのか、判断する手助けをしてくれます。
参考までに、修理には以下のように高額な費用がかかる場合があります。
- 室外機ファンモーターの修理:5万円ほど
- 圧縮機の修理:25万円ほど
- 基板交換:5~10万円ほど
また、部品保有期間を過ぎている可能性もあるため、修理と買い替えの見極めも大切です。
業者に分解洗浄してもらう
動作不良の原因が故障ではなく内部の汚れである場合、分解洗浄によって復旧するケースもあります。
とくに、長期間清掃していない業務用エアコンはフィンの目詰まりが原因で保護機能が作動し、停止状態になる場合があるため注意が必要です。
専門業者に高圧洗浄・分解清掃してもらえば、機器本来の性能を取り戻せる可能性があります。
汚れ具合や作業環境によっては検討してみましょう。
10年程度経過しているなら買い替える
使用年数が10年を超えている業務用エアコンが故障した場合、修理よりも買い替えがおすすめです。
省エネ性能も大幅に向上している新型機種は電気代が安く、修理を重ねるよりも買い替えの方がランニングコストを抑えられます。
また、年数が経つと故障の頻度が増え、部品の供給が終了している可能性もあります。
メーカーに部品があってもいずれ入手できなくなりますし、10年程度経過しているなら買い替えのプランを並行して進めると良いでしょう。
業務用エアコンの故障が疑われる場合の究明方法|不具合のサインとは まとめ
業務用エアコンが動かなくなった場合、今回の記事を参考にまずは復旧を試みましょう。
ただし、設置から10年以上が経過している、また故障した際に修理費用が高額な場合には、買い替えを検討するのがおすすめです。
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