業務用エアコンの見積もりの作成方法とは|費用が変動する理由
業務用エアコンの導入や交換を検討する際、費用面はもっとも気になるポイントではないでしょうか。
しかし、見積金額は本体価格や工事費だけではなく、機種の種類や設置環境、既存機器の撤去の有無などによって、さまざまな要因によって大きく変動します。
予算オーバーや見積もりの見落としを防ぐためには、費用構成を正しく理解することが重要です。
本記事では業務用エアコンの見積もりの仕組みや費用相場、注意点についてわかりやすく解説します。
目次
業務用エアコンの見積もり方法
業務用エアコンの費用は、導入を検討している方にとって気になるポイントではないでしょうか。
しかしながら、建物の構造や使用目的によっては見積もり費用が大きく変わる場合があります。
ここでは、「概算」「正確な見積もり」「本体価格欄の見方」という3つの観点から、見積もりの流れと注意点をわかりやすく解説します。
業務用エアコンの費用感を把握し、失敗しない選び方をするための第一歩として、ぜひ参考にしてください。
概算で見積もりする
急ぎでおおよその費用感をつかみたいなら、ヒアリングだけで出せる「概算見積もり」が便利です。
現地調査をせずに部屋の広さや天井高、用途、希望の馬力などを伝えることで、短時間で見積もりを提示してもらえます。
たとえば「20坪の飲食店に4馬力天井カセット型を1台設置」と伝えるだけでも、数十万円単位でおおよその費用がわかるでしょう。
相場を把握したり、複数業者を比較したりする際の基準として役立ちます。
正確に見積もりする
最終的な費用を知るには、「現地調査」による正確な見積もりが欠かせません。
以下のように設置環境を詳細に調査することで、最適なエアコンの選定と工事内容の決定、設置に必要な費用を正確に算出できます。
- 天井裏のスペース
- 既存配管の有無
- 電源の種類
- 室外機の設置位置
たとえば同じ馬力のエアコンでも、室外機の搬入にクレーンが必要だったり、現場の状況によって追加の電気工事が必要だったりすると、数万円から数十万円の差が生まれる点に留意しておきましょう。
詳細な見積もりは、導入後のトラブル防止につながるのもメリットです。
本体価格の欄に注意
見積書の中で注意すべきなのが「本体価格」の表記です。
一部の見積書では、メーカーの定価がそのまま記載されているなど、実際の販売価格とは大きく乖離しているケースがあります。
同じ型番でも、業者によって数万円以上の差がつくことも珍しくありません。
また、機種名や馬力が希望の仕様と異なっていないかも確認が必要です。
見積書に記載された価格の根拠を確認しておけば、無駄な出費を抑えながら導入しやすくなります。
業務用エアコンの見積費用はどれくらい?
業務用エアコンを導入する際の見積額は、本体価格に加えて工事費がかかるほか、設置環境によっても見積もり費用が大きく変わります。
単純に「エアコン代=費用」ではなく、建物の構造や使用する機器の種類、配管の長さ、電気工事の有無など、さまざまな要素が費用に影響するのです。
ここでは、代表的な業務用エアコンの種類ごとの本体価格や工事費用、追加費用の目安をご紹介します。
種類別本体価格
業務用エアコンの本体価格は、選ぶタイプと馬力の大きさによって大きく異なります。
たとえば、天井に埋め込む「天井カセット型」は、壁掛け型などに比べて価格が高めで、6馬力のシングルタイプなら28〜40万円程度が目安です。
室内機を複数設置する同時運転タイプの場合は、50万円程度になる場合もあります。
一方、天井から吊り下げる「天井吊型」は設置の自由度が高く、価格も13~30万円程度と比較的抑えられています。
壁面に設置する「壁掛け型」は業務用の中でもっともコンパクトで、13~24万円前後の手頃な価格帯が魅力です。
床に設置する「床置型」は風量が強く広範囲をカバーでき、本体価格は17~30万円ほどとなっています。
ただし、あくまで目安であり、設置場所や用途に応じて大きく幅があります。
見積もりを依頼する前にあらかじめ用途に合ったタイプと馬力の目星をつけておくと、スムーズに進められるでしょう。
また、実際の価格は販売業者やキャンペーンによっても変動するため、見積書では「定価」と「実売価格」の違いに注意することも大切です。
種類別工事費
業務用エアコンの導入では、本体価格だけでなく「工事費」が費用全体の大きな割合を占めます。
また、エアコンの種類や設置環境によって大きく変わるのが特徴です。
たとえば、天井埋め込み型は天井裏に配管やダクトを通す必要があるため、設置工事が複雑になり、費用も高くなります。
一般的な相場は機種の馬力や室内機の台数によって異なりますが、天井カセット型や天井吊型では13〜30万円前後です。
壁掛け型や床置き型は比較的工事が簡易なため、12〜20万円前後が目安になります。
ただし、既存配管の再利用や電気容量の増設が必要な場合、追加費用が発生するケースも少なくありません。
工事費は配管距離や電源工事の有無、作業場所の難易度によっても上下するため、見積もりは現地調査をしたうえで行うのが基本です。
追加費用
業務用エアコンの見積もりでは本体価格や標準工事費だけでなく、「追加費用」にも注意が必要です。
というのも、建物の構造や使用環境によっては標準工事で対応できないケースがあり、別途費用が加算される場合が少なくありません。
たとえば、以下のようなケースがあります。
- 室外機を屋上に設置するためにクレーン作業が必要
- 既存の配管・電源の容量が不足していて追加工事が必要
- 天井の補強工事や高所作業が必要
- 搬入経路の制約にともなう人手の追加が必要
このように、現場ごとに異なる要素が費用に影響する点に留意しておきましょう。
たとえば、配管は1mあたり5,000円ほどが相場です。
なお、さまざまな条件によって異なりますが、2階以上の高所に室外機を設置する際は1フロアにつき1万円前後の追加費用がかかるとされています。
こうした追加費用は、見積書の段階で「別途見積」や「現地調査後確定」と記載されている場合があり、契約前に必ず詳細を確認することが大切です。
予想外の出費を防ぐためにも、現場確認を前提とした見積もりを依頼し、内容に不明点があればしっかり確認しておきましょう。
業務用エアコンの見積費用が変動する理由
業務用エアコンの見積額は「本体+工事費」だけでなく、導入環境により大きく変動します。
主な要因は馬力や能力、室内機のタイプ、設置場所です。
ここでは、それぞれの要因が費用にどう影響するのか、具体的な例を交えて解説します。
馬力・能力
業務用エアコンは部屋の広さや使用人数、室内環境に合わせて馬力を選ぶのが基本です。
広い空間ほど馬力が必要になりますが、能力が大きくなるほど本体価格と工事費用も上がります。
たとえば、業務用エアコンの大手メーカー「ダイキン」では、同社の業務用エアコン「スカイエア」を設置する際の費用の目安を以下のように説明しています。
馬力 | 機器代金+工事代金 |
---|---|
5馬力以下(70㎡以下の一般事務所) | 50万円~70万円 |
6馬力以上(80㎡以上の一般事務所) | 100万円~150万円 |
5馬力と6馬力で1馬力違うだけで、設置費用が大きく異なっています。
馬力が大きいモデルは高価格である点に加えて、大型の室外機や強化された配管が必要になり、設置工事に手間とコストがかかるのが理由です。
室内機のタイプ
見積もり費用は、室内機のタイプによって変動します。
たとえば「天井埋め込みカセット形」の場合は、吹き出し口を設置するのに必要な開口工事や天井裏での吊り込みなど施工が複雑で、手間がかかるため高額になります。
照明などで天井スペースが限られる空間にも設置できる「天井吊形」は、天井に穴をあけずに設置できるものの、重い室内機を天井から吊るす作業が必要です。
そのぶん、天井埋め込みカセット形の次に、設置費用が高くなる傾向があります。
もっとも費用を抑えられるのが壁掛け型です。
設置工事がシンプルで住宅用と工程が似ていることから、業務用エアコンの中では比較的費用を抑えられます。
ただし、比較的小スペースの店舗や事務所などに向いており、工場内など広大なスペースには対応できない場合がある点を考慮しておきましょう。
設置場所
エアコンをどこに設置するかによっても、見積もり費用は変わります。
たとえば、室外機を屋上や高所に設置する場合は、クレーンやレッカーの手配が必要です。
クレーン車両手配や道路使用許可の取得などのコストが加算されるため、見積もり費用が高額になる傾向があります。
また、室内機と室外機の距離が離れていると配管延長や補充する冷媒量も増えるため、材料費と人件費もあわせて増加してしまうのです。
特殊なケースで設置費用が高額になるのが心配な場合には、業者にまずは相談してみましょう。
業務用エアコンの交換の場合は撤去費用も見積もりに入る
業務用エアコンを交換する場合、新設とは異なり「撤去費用」が発生する点に注意が必要です。
取り外した既存のエアコン設備を廃棄処分するための費用で、見積書にも別項目として加算されます。
とくに、天井埋め込み型やダクト型のように天井裏に設置された機種は、解体や搬出に手間がかかるため、撤去費用も高くなる傾向があります。
さらに、業務用エアコンにはフロンガスが使用されているため、適切なガス回収作業も必要です。
フロンガスの回収には専門業者の資格が必要で、対応費用も見積もりに含まれます。
また、古い配管や室外機の架台などが再利用できない場合、それらの交換に伴う撤去・処分費も発生します。
業務用エアコン1台の撤去費用はおよそ2万円とされていますが、あくまで基本料金である点に留意しておきましょう。
撤去費用は現地の状況によって変動するため、見積書には「現地調査後に確定」と記載されているケースが多く、事前の確認が重要です。
交換工事では「撤去を含めた総額」で判断することが、想定外の出費を防ぐポイントになります。
業務用エアコンの見積もりの作成方法 まとめ
業務用エアコンの見積もり費用は本体価格や工事費だけでなく、設置環境や追加作業の有無、既存機器の撤去といった要素によって大きく変動します。
今回の記事が、適正価格かどうかを判断できるようになる一助になれば幸いです。
また、導入後のランニングコストにも目を向けましょう。
業務用エアコンは長期にわたり使用する設備のため、万が一の故障やトラブルに備えた保証の有無が、結果的に維持費用を大きく左右します。
当店では、安心してご使用いただけるよう「3年間の無料保証」をお付けしています。
まずはお客様の環境やご希望に合わせた最適なプランをご提案いたしますので、ぜひ一度無料見積もりをご依頼ください。
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