業務用エアコンの買い替え時期はいつ?寿命の目安と買い替え時期の見極めポイントを解説
業務用エアコンは、設置してから一定の年数が経過すると、性能の低下や故障リスクが高まっていきます。しかし、買い替えるタイミングを知らずに「まだ動いているから大丈夫」と、安易に判断するのは禁物です。
本記事では、業務用エアコンを買い替える時期の目安や、交換を検討すべき具体的なタイミング、買い替えるメリットを詳しく解説します。突然の故障で業務に支障をきたさないためにも、ぜひ参考にしてみてください。
目次
業務用エアコンの買い替え時期の目安
業務用エアコンは、いつまでも快適に使えるわけではありません。突然の故障や電気代の増加を防ぐためには、適切な「買い替えのタイミング」を見極めることが大切です。
ここでは、快適に使える期間や部品の保有状況、物理的・経済的な耐用年数について、詳しく解説していきます。
快適に利用できる期間
業務用エアコンの交換・買い替え時期は、使用状況や設置環境によって異なるため、一概には言えません。一般的に「耐用年数」から考えると、快適に利用できる期間の目安は「10〜15年」とされています。
ただし、「耐用年数」は通常の使い方をした場合の「正常に機能する期間」を指す一方、減価償却の計算で使う「法定耐用年数」で解釈される場合があります。減価償却などで用いられる法定耐用年数は7年です。
実際には環境や使い方などの条件によって、快適に使える期間は前後します。気になる点があれば、法定耐用年数も目安に買い替えを検討しましょう。
参照:フリー株式会社|耐用年数とは?減価償却資産の種類と各耐用年数について解説
物理的な耐用年数
物理的耐用年数とは、業務用エアコンなどの機器を「定期的なメンテナンスを行うことで、故障をできるだけ防ぎながら正常に使える期間」を指します。
物理的耐用年数の目安となるのが、メーカーの部品保有期間です。部品を調達できなくなると、定期的なメンテナンスが難しくなります。発売から10年を超えた場合、故障箇所によっては部品がなく修理できないケースがあるため、交換も選択肢に入れましょう。
経済的な耐用年数
経済的耐用年数とは、機器がまだ動作していても「維持コストの増加によって、使い続けるより買い替えたほうが得である」と判断できる使用年数のことです。
例えば、長年使っている業務用エアコンに目立った故障もなくても、消費電力が大きく電気代がかさむようであれば、新型に買い替えたほうが結果的にコスト削減に期待できます。
ただし、経済的な耐用年数は、使用環境・運転頻度・保守状況によって変わり、一律ではありません。そのため、電気代・修理費・効率性などの面から「費用対効果が悪くなってきた」と感じたら、買い替えを検討しましょう。
業務エアコンの買い替えを検討する前に確認しておくポイント
業務用エアコンを買い替える前には、エアコンが本当に交換すべき状態なのかを見極めることが重要です。ここでは、買い替え前に確認すべき主なチェックポイントについて、分かりやすくご紹介していきます。
空調が正しく機能しているか
業務用エアコンの買い替えを検討する前は、空調機能が正常に作動しているかチェックしましょう。単に設定温度に達しているかだけではなく、空気の循環や湿度の調整が適切に行われているかどうかの確認が重要です。
空気の流れが一部に偏っていたり、湿度調整が不安定だったりする場合は、ファンの劣化やセンサーの不具合が原因と考えられます。これら症状は、買い替えの判断材料となるため、細かな機能まで正常に稼働しているかチェックしましょう。
冷媒ガスが漏れていないか
冷暖房がよく効かない場合は「冷媒ガス(フロンガス)」が漏れている可能性があります。冷媒ガスが不足すると、エアコンは正常に熱交換できず、冷暖房の効きが著しく悪くなってしまいます。
特に、配管の劣化や接続部の緩みなどが原因で、時間の経過とともにガスが少しずつ漏れるケースには注意が必要です。風は出るものの「冷たくも温かくもない」といった症状が続く場合は、買い替えも含めて業者に相談しましょう。
設定した温度と湿度になっているか
エアコンが正常に作動しているか確認するには、設定した温度・湿度に達しているかどうかチェックしましょう。運転を開始してから数分~10分ほど経過した後、温度計や湿度計を使って室内の状態を測定してください。
明らかに設定値と大きな差がある場合は、センサーの故障や冷媒ガスの不足、フィルターの詰まりなど、何らかの不具合が起きていると考えられます。
異臭や異音が発生していないか
エアコンから変な臭いや音がしていないかも、あらかじめ調べておきましょう。カビ臭いと感じるならば、フィルターや奥の部分にカビが繁殖している恐れがあります。また、異音がする場合は、部品が傷んでいたり、電気の設備が故障していたりと、不具合が発生しているかもしれません。
ファンが劣化していないか
買い替えを検討する際は、空気を部屋に送るための「ファン」の状態もチェックしましょう。ファンはエアコンを使うたびに動くため、劣化の進みが早い部分です。また、フィルターと同じく、カビが繁殖しやすい部分でもあります。
フィルターに不具合が発生していないか
フィルターの網目が破れていないか、ほこりが詰まっていないか、カビが多く付いていないかを確認しましょう。フィルターが詰まると、空気を吸い込むために、より多くの力が必要となります。結果、内部に負担がかかってしまい、故障の原因となったり、電気の消費量が増えたりするため注意が必要です。
業務用エアコンを買い替えるタイミング
業務用エアコンは、経年劣化や性能低下により、買い替えが必要となります。故障や修理する頻度の増加、電気代の上昇、冷暖房の効きが悪いなど、買い替えのサインを見逃さないようにしましょう。ここからは、買い替えを検討すべきタイミングについて、具体的にご紹介していきます。
故障や修理が増えた
エアコンの不調が続き、年に何度も修理を依頼しているならば、買い替えを検討するタイミングです。不具合が生じるたびに修理で復旧できたとしても、部品の劣化や内部機構の老朽化が進んでいる可能性があり、今後も同様のトラブルが繰り返されるかもしれません。
また、修理費用が積み重なっていくと、結果的に新品に買い替えるよりもコストを要する場合もあります。稼働年数や修理頻度を踏まえ、長期的なコスト削減と安定稼働を考慮しましょう。
設置から10~15年を経っている
業務用エアコンの設置から10〜15年が経過している場合は、交換を検討しましょう。メーカーによっては、製造開始から10年を目安に部品の供給を止めてしまい、修理ができなくなってしまうためです。特に、設置から15年以上経過しているならば、新しい機種への買い替えをおすすめします。
設置してからの期間で判断したい場合は、以下を目安に買い替えを検討してみてください。
- 1年以内:保証期間内の可能性が高いため、まずは修理を検討する
- 7年以内:軽度の不具合なら修理、主要部品の故障は買い替えを検討する
- 9年超:部品が供給終了している可能性があり、修理困難なケースもある
- 15年超:突然の故障リスクが高いため、省エネ性能の高い新型への交換が推奨される
電気代が急に増えた
毎月の電気代が急に高くなった場合は、エアコンが古くなったことで、効率が悪くなっている可能性があります。エアコン内部の劣化により、無駄なエネルギーを消費しているケースは少なくありません。前年比で電気代が大幅に上がっているようならば、買い替えを考えるタイミングです。
冷暖房能力が低下している
エアコンをつけても、設定した温度になるまでの時間が長くなったり、部屋の中で温度にムラができたりするようになったら、エアコンの性能が落ちているサインです。室内機のフィルターの目詰まりなど、不具合を確認できない場合は、故障している可能性が高いと考えられます。
業務エアコンの買い替えと修理の見極め方
業務用エアコンは、修理を繰り返すよりも新しい機種に買い替えるほうが、コストや性能面で有利になるケースも少なくありません。ここでは、買い替えと修理の見極め方を解説します。
保証期間を確認する
業務用エアコンが故障したら、エアコンを購入した際の保証期間を確認しましょう。保証期間はメーカーによって異なりますが、1〜3年程度が一般的です。保証期間内であり、かつメーカーの不備による故障であれば、無償で修理してもらえる可能性があります。
部品保管期間をチェックする
一般的に、業務用エアコンの部品保管期間は、製造販売から約10年が目安です。部品保有期間内ならば修理でも構わないですが、保有期間を過ぎて部品を調達できないと、買い替えしなければなりません。ただし、エアコンの需要期など、故障したタイミングによっては、すぐに交換できないケースもあるため注意しましょう。
コンプレッサーが故障した
エアコンの室外機に搭載されているコンプレッサーは、心臓部といえる重要な部品です。室外機から突然大きな音がするようになったり、激しく揺れたりする場合は、コンプレッサーが故障しているサインかもしれません。
コンプレッサーの修理は、平均で5万円以上と高額な費用がかかります。もしも保証期間が過ぎていたら、費用対効果を考えると、修理するよりも買い替えるほうがお得でしょう。
冷媒ガスが漏れている
エアコンを運転させても冷暖房が機能しない場合は、冷媒ガスが漏れている恐れがあります。ガス漏れの修理は、漏れている場所を見つけて溶接するなど、大がかりな作業となるケースがあります。修理費用が数十万円になる場合もあるため、修理代が高額になるようならば、買い替えを検討するのがおすすめです。
業務エアコンを買い替えるメリット
業務用エアコンの買い替えには、多くのメリットがあります。ここからは、買い替えによって得られる主なメリットをご紹介していきます。
省エネ効果でコストを削減できる
新しい業務用エアコンに買い替えるメリットの一つが、省エネ性能向上によるコスト削減です。例えば、ダイキンの試算では、15年前のモデルと最新モデルの年間電気代を比較すると「約48%削減できる」という結果が出ています。このことからも、最新の業務用エアコンに買い替えることで、電気代を大幅に減らす効果に期待できるでしょう。
参照:ダイキン工業|業務用エアコンを交換するには?交換のメリットや確認すべき点を解説
快適な職場環境に整えられる
最近の業務用エアコンの中には、温度や湿度をより細かくコントロールできるモデルが販売されています。エアコンの内部にカビが生えにくく、きれいな空気を送る機能を搭載しているなど、快適な職場環境に整えられる点がメリットです。
従業員にとって快適な環境が実現すると、仕事の効率アップにもつながり、お客さまにもより快適に過ごしてもらえる環境を提供できるでしょう。また、AIやIoTといった新しい技術を駆使し、より最適な運転を自動で行うモデルも登場しているため、ぜひチェックしてみてください。
地域環境へ配慮している企業としてアピールできる
省エネ性能の高いエアコンを選ぶことは、使用するエネルギー量を減らし、地球温暖化の原因となるCO2の排出量を削減することにつながります。そのため、最新の省エネエアコンに買い替えた場合、地球環境に配慮した取り組みを行っている「環境に優しい企業」として、良いイメージをアピールできます。
業務用エアコンの買い替え前に必要な事前準備と注意点
業務用エアコンをスムーズに買い替えるためには、事前準備と適切なタイミングの見極めが重要です。繁忙期に入ってからの対応では、工事の遅れや在庫不足により、業務に支障が出る恐れがあります。ここでは、買い替え前に確認しておきたい注意点について、具体的に解説していきます。
オフシーズンに点検する
業務用エアコンの点検は、しばらく使用しないオフシーズンに行いましょう。夏や冬の直前は修理や買い替えの依頼が集中しやすいため、その時期に故障で動かなくなった場合は、希望の日程で工事を依頼できないケースもあります。
必要な時期にエアコンが使えないというトラブルを防ぐためにも、依頼が混雑する時期を避け、動作確認や状態チェックを済ませておくと安心です。
早めに問い合わせる
不具合や異常に気付いたら、できるだけ早く業者に連絡しましょう。買い替えや修理が集中しやすい繁忙期に入ると、工事日程の調整が難しくなる上に、エアコン本体の在庫確保にも時間がかかる場合があります。スムーズに交換するためにも、早めに問い合わせて、機種や工事スケジュールを確保しておくことが重要です。
業務用エアコンの寿命の目安と買い替え時期の見極めポイント まとめ
業務用エアコンは、適切なタイミングでの買い替えが、快適な環境づくりとコスト削減の鍵を握ります。もし「そろそろ交換の時期かな」と感じたら、最新の省エネモデルへの買い替えを検討し、経費削減と快適な空間づくりを両立させましょう。
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